最初の一品として出されるアミューズの位置づけ
宴会で本格的なフレンチのコースを着席スタイルや立食スタイルでいただく際に、乾杯のお酒とともに最初に提供される一品がアミューズです。
前菜やオードブルと思われる方も多いですが、前菜はまたその後に登場してきます。
分かりやすいように多くの方が馴染みのある居酒屋で照らし合わせるならば、アミューズはお通しや先付け、付き出しといった位置づけとなります。
食前酒をはじめ、宴席であれば乾杯の音頭とともに宴会のスタートを飾り、フルコース料理を楽しむためのキッカケを作ってくれる料理であり、小さなグラスに盛り付けられるなど、わずかな量であっても、繊細な盛り付けで、ゴージャスな器で供されることが少なくありません。
意外に高級素材や旬の素材が楽しめる
居酒屋でお通しや先付けというと、酢の物や煮物、塩辛や珍味などちょっとしたものが供されますが、本格フレンチコースのアミューズの場合、お店や季節によっても異なりますが、量はわずかながらも旬の高級食材を使った一品であることも少なくありません。
ウニが旬の時期なら、コンソメのジュレなどの上にウニが一節盛り付けられていたり、薄切りのホタテの上にイクラがあしらわれていたりと、少量ながらも高級素材を宝石のように盛り付けた華やぎのある一品が供されます。
食前酒や宴会の乾杯を飾るシャンパンなどにも最適なおつまみとなり、これから続々と登場するフルコースの先陣を切って、今後の料理への期待も高めてくれ、テンションも上がり、集まったメンバーとの会話のきっかけづくりの役割も果たしてくれます。
前菜とは異なる
アミューズを前菜やオードブルと勘違いされる方もいますが、一般的な前菜やオードブルに比べて量から異なります。
前菜やオードブルは魚介やお肉などを使ったサラダ的なものが中皿に盛りつけられたり、ひと口サイズや小さめの料理が数種類大皿に盛り合わせられて登場します。
ですが、アミューズは基本的に2口、3口で完食できるような少量サイズで、小皿というよりは、カクテルグラスサイズに美しく盛り付けられて供され、小さめのスプーンまたはフォークがあれば食べられ、ナイフとフォークを使って食べるようなものではありません。
立食スタイルであれば、カクテルグラスなどに入れられ手に持って食べやすく、スプーンなどで気軽に食べられるスタイルで提供されます。
いずれにしても旬の素材をそのまま味わえたり、オリーブオイルやジュレなど絶妙なテイストで味付けされ、見た目にも美しい宝石のような一皿を楽しめます。